黒蝶真珠(ブラックパール)とは、クロチョウガイからとれる真珠です。
クロチョウガイはウグイスガイ目ウグイスガイ科の二枚貝で、インド洋や太平洋の赤道付近、南緯30度から北緯30度の熱帯、亜熱帯海域の水深10メートルより浅い岩礁地帯に広く分布しています。
特に日本では紀伊半島から南部に生息しており、沖縄の八重山や宮古の周辺海域に多く生息しています。
海外ではタヒチのツアモツ諸島が中心的な生産地として有名です。
クロチョウガイは貝殻を開いた様子が黒い蝶のように見えることからクロチョウガイと呼ばれています。
またその貝殻を開くと内側は銀白色の光沢を持つ真珠層ですが周縁部が黒味を帯びているため、英語では黒い縁の部分を唇に見立てて「ブラックリップ」と呼ばれています。
黒蝶真珠は40万個のクロチョウガイに1個の割合でしか発見できないと言われるほど希少価値が高く、「幻の真珠」と呼ばれてきました。
現在では多くの養殖の母貝として利用されています。
黒真珠のサイズは8ミリから12ミリ程度のものが多いです。
またクロチョウガイは活動的な品種のため真珠の形もサークルを巻いたものやしずくの形をしたドロップ型、個性的な形のバロック型など様々なものがあります。
クロチョウガイは赤褐色、緑褐色、黄褐色の3色の色素を持っているため、それからとれる真珠には豊富な色のバリエーションがあります。
ブラック、イエロー、グリーン、レッドなど、複雑な色合いと神秘的な輝きがその大きな魅力と言えるでしょう。
とりわけ深い緑に赤みがかった反射のある色目は「ピーコックグリーン」と呼ばれ、特に人気のある色です。
黒蝶真珠を用いたアクセサリーとしてはネックレスやピアスのほか、ペンダントトップや指輪にも多く使われます。
真珠のネックレスの定番と言えば白でしたが、黒蝶真珠のネックレスはフォーマルな場所はもちろんのこと、カジュアルなファッションにも合わせやすいと近年人気が高まっています。